河内長野市内のレストランやリカーショップでも取り扱いがはじまり、なじみ深くなってきた「ル・グランカラモン」(以下カラモン)。フランス・プロヴァンス地方リュベロンにあるワイナリーで、生産にたずさわるエミさん・二コラさんご夫婦は、新婚時代を河内長野で過ごし、現在も河内長野にある実家へと帰国しながら、だいすきな日本へとカラモンワインの輸入に尽力してきました。2015年夏の帰国の際、お二人にとって思い出の深い場所「岩湧山」で、今までとこれから、そして河内長野の魅力についてお話しを聞いてきました。
編集部:思い出の場所として「岩湧山」をリクエストいただきました。今日はここ四季彩館のなかで、おふたりが河内長野での思い出をおうかがいしていきたいと思います。
エミ:はい。わたしたちが河内長野で暮らしたキッカケは、98年に二コラと結婚して「自然の近くに住みたい」という想いからです。住まいから見える山がほんとうに美しくてすばらしくて。長男と長女が生まれ、2010年フランスに帰国するまで12年間、なにかあることに二人で訪れたのがここ岩湧山でした。山のなかでちょっと休憩したり、山登りしたり。わたしたちにとって、とても心が落ち着く場所なんです。
編集部:日本から二コラさんの母国フランスに帰国されて、すぐにワイナリーに?
エミ:いえ、別のお仕事を考えていたのですが、「カラモン」は夫二コラの実家で、家族だけで経営し、生産している姿を見ていると自然とお手伝いしたい気持ちになって現在にいたります。日本にいる時から、「カラモンを日本へ」という想いがあったのですが、現地に住んで知る魅力に、その気持ちが強くなりました。
編集部:「カラモン」はどんなワインなんでしょう?
エミ:私たちのつくるワインは、その年の自然と対話しながら最低限の農薬のみでブドウを育む減農薬です。リュベロンは石灰岩質の土壌で降雨量が少なくてカラカラ、水やりは基本禁止で、根っこから深層水だけでブドウをつくります。
二コラ:そう、プロヴァンスの強い日差しが、ブルゴーニュやボルドーに比べてすごく甘さをつくりますね。正直、厳しい年もありますが、ワインの良さや個性となって毎年違ってきます。それが自然の力だけでつくるワインの良さですね。
編集部:その「カラモン」、現在は河内長野でのレストランやリカーショップでの取り扱いがあり、私たちにとって身近になってきましたね。
エミ:ありがとうございます。実家がある河内長野に帰える際に、エージェントを探して2014年に日本での販売がスタートしました。道のりはありましたが、現在は、天見の南天苑さん、三日市の近咲暮さんや地球屋さん、南花台の旬の食卓味感さん、ノバティの酒蔵にしおかさんで 取り扱っていただいております。レストランでは「カラモンは料理の前に立たずに、後ろから料理を引き立てくれる」とコメントをいただいた時はうれしかったですね。これからの秋冬は、冷たく冷やしてロゼや赤ワインを! 「鍋」や和食によくあいます。
編集部:ご実家がある河内長野、エミさんのふるさとで「カラモン」のワインを嗜む方が増えると、リュベロンと河内長野が近く感じますね。これからお二人が取り組まれていく目標は?
エミ:ワイナリーとしてがんばっていくこと。それに加えて、わたしたちが住むリュベロンへの日本人の受け入れ、日本との文化交流や旅のお手伝いをしていきたいです。わたしたちみたいな生産者との食を通じたふれあいも考えていきたいですね。
編集部:食も土地処の魅力ですよね。お話しをすすめてきて、岩湧山もやっぱり心地よいわがまちの魅力です。
エミ:ほんとに、今日もこうやって、二コラと一緒に岩湧山にいられることがとてもうれしいです。わたしは24歳まで家を出たことがなくて、フランス語を話せるわけでもないのにフランスに帰って、異文化に慣れるまで気が弱くなった時、この岩湧山の方角をみて実家を想っていた時期がありました。弱虫だった私を支えて、今こうしてフランスでやっていけるくらい強くしてくれた夫のニコラに、12年間日本に住んでくれたことも含めて感謝しています。
編集部:また帰国された時、河内長野市内でばったり出会える日をたのしみにしていますね。今日はありがとうございました。
ル・グランカラモン
**Information**
河内長野市内お取り扱い店
旬素材dining近咲暮 http://okukawachi.sakura.ne.jp/post_1171
地球屋 http://okukawachi.sakura.ne.jp/post_1179
南天苑 http://okukawachi.sakura.ne.jp/post_458
旬の食卓 味感
酒蔵にしおか
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