【奥河内のチカラ】Teha’amanaテハマナ デザイナー・革職人
西本 剛 氏

 果実畑に囲まれた自然あふれる小山田。空抜け感と竹藪を背に、テハマナのギャラリーがあります。ここは革職人が営む工房で、3人の革職人がつくるバッグや生活雑貨などを、日本国内外のバイヤーが買い付けにやってきます。今回の「奥河内のチカラ」では、代表である西本剛さんに、生まれ育った小山田でお話しをおうかがいしました。

 

編集部:今回の撮影・取材場所は工房兼ギャラリーがあり、西本さんが生まれ育った小山田にさせていただきました。ずっと小山田で暮らされているのでしょうか?

 

西本氏:はい、僕は小山田の旧家に生まれて、両親ともに小山田出身です。大学は京都の美大でしたので、その期間だけこの地を出ました。大学卒業後、また地元に戻り、バッグメーカーのデザイナーとして就職。その後、平成15年に自宅でテハマナを立ち上げました。

 

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編集部:企業デザイナーから自社ブランドの立ち上げ。革職人として歩まれることになった経緯は?

 

西本氏:企画をして工場さんにつくっていただくという仕事をしていたのですが、売り上げをだすために、つくっては捨てていくようなモノづくりに違和感がありました。せっかくなら丁寧に商品をつくっていきたいな、と。自分で包丁を持って、革を切り出したのはそこからですね。会社を辞めて、テハマナを立ち上げた当初は、すぐに商品が売れるわけもなく。企画デザイナーの仕事をしながら、ヌメ革でつくるテハマナのオリジナル商品をコツコツと制作していくなかで、セレクトショップで好評をいただき、全国に取り扱い店舗が増えていきました。

 

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編集部:海外からもアプローチがあると聞きましたが。

 

西本氏:はい、各国のバイヤーさんからの依頼で、現在はニューヨーク、韓国、中国、台湾のセレクトショップに置かせていただいております。

 

編集部:日本国内外からみたテハマナの魅力とはなんでしょう?

 

西本氏:お客様からは「ひと工夫しているところが好き」とか、「シンプルだけどデザインがきっちり入れられている」と、お声かけいただいています。またテハマナでは、植物タンニン革(ヌメ革)を、天然植物の皮や実などから抽出したタンニン剤でなめしています。こだわった質感が、経年変化にあらわれて長く愛着を持っていただけます。うちの革を「すごくいい」といっていただけるのも、とてもうれしいですね。

 

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編集部:昨年オープンした、このおしゃれなギャラリーに訪れると、河内長野・小山田の景色を楽しむことができますね。西本さんの好きな小山田てどんなところでしょう。

 

西本氏:ここからほど近くにある「しょうぶ谷」が好きです。田んぼや果実畑が広がっていて、僕が子どもの頃に見て、遊んだ里山の風景がそのままに残っています。空が抜ける感じもすがすがしいし。そこにうちの蜂の巣もあるんですよ。

 

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編集部:そうだ!養蜂活動もされているんですよね。小山田の桃もつくっているとか(笑)

 

西本氏:桃もミカンもつくっていますよ(笑) 養蜂活動はね、蜂を飼いたいなって。小山田でせっかく革の仕事をしているので、土地柄を活かしたいという想いとつながって、自家製ミツロウワックスをつくって、麻糸をシゴク時に使っています。

 

編集部:だから、アトリエや雑貨、ところどころに「ハニカムの構造」がモチーフ化されているんですね。「地産×モノづくり」もすてきですね。

 

西本氏:ありがとうございます。これからは、革という素材を使って、家具やほかのモノもどんどんトライしたいですね。今はまだ企画段階ですが、地元の自転車職人さんに鉄の溶接してもらったり、若き家具職人さんと一緒に考えたり。河内長野で暮らす職人同士で組みながら、この先ももっとモノづくりを広げて、楽しんでいきたいです。

 

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編集部:クラフト職人のつながりをはじめ、マンパワーもこのまちの魅力ですね。すてきなモノづくりを応援しています。

 

Teha’amana テハマナ

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**Information**
河内長野市小山田町2528-18
ギャラリーオープン日:3/28~4/3 11:00-18:00
※5月以降はWEBサイトで告知
http://www.tehaamana.com/